思いがけないお土産と、「友達」という言葉

数か月前から、在日の方が施術に通ってくださっています。
最初にお会いしたときは、ほんのり緊張した面持ちでスマホの翻訳機でお話しされていたのが印象的でした。
施術を重ねるにつれ、少しずつ表情が柔らかくなり、帰り際にはにこっと笑って「あなたは優秀!」などと言ってくださるようになりました。

その方が「1か月ほど中国に戻ります」とお知らせくださいました。
「戻るとき、お土産って何がいいですか?」「あなたは友達だから!」と言っていただきました。
まさか本当に用意してくださるとは思ってもいませんでした。
それに、正直なところ──また来てくださるかどうかも分からなかったのです。

ところが先日、再び来院され、手にはとても豪華な化粧箱に入ったお茶。おそらくウーロン茶だと思うのですが、実家で作っているお茶とのこと、見た目からして高級感が漂っています。
さらに大きなドライなつめとクルミのお菓子まで添えてくださり、胸の奥がぽっと温かくなるような、そんなサプライズでした。


その瞬間、思わず言葉に詰まってしまいました。
施術に来てくださるお客様から、そんな風に言っていただける日が来るとは…と。
もちろん、私は施術者として接していますが、人としてのつながりを感じていただけたことは、何よりの贈り物です。

お土産がうれしかったのは間違いありません。
けれど、翻訳機から見えた「友達」という言葉は、もっと深く心に残りました。
国籍が違っても、言葉が少し違っても、体をゆだねてもらえる関係の中で、ゆっくりと信頼が育っていくのを感じています。
日々の仕事の中で、思いがけないご褒美をいただいた気分です。