手と心に触れる「ハンドマッサージ」

訪問鍼灸マッサージのご利用者さまの食事の量が減り、少し元気がなくなってきています。
まぁ、90歳を過ぎるご高齢なので、よく頑張られているなと逆に励ましや希望をいただいておりました。

ベッドから起きたり、車いすに乗ったりの体力も落ちてきて、主に、床ずれ防止のマッサージや各関節がこわばらないように簡単な他動運動をさせていただいております。
それに加え、ハンドマッサージを受けられております。

以前から、ハンドマッサージを、「気持ち良いね~」「すぅ~としんどさが無くなるね~」と楽しみに受けておられました。
食事がすすまなくなり、体力が落ちてきている現在でも、「手のマッサージしましょう」と声をかけると「ありがとう」と言いながら、精一杯腕を私の方へ差し出してくれます。
小さな声ですがしっかりと「気持ち良い~」と目を細め、しみじみとハンドマッサージを受けられます。

ハンドマッサージは、ただの技術ではなく、
“その方の人生に、そっと寄り添う時間”なのかもしれません。

そして今、あらためて「触れること」は、最もシンプルで、最も深いコミュニケーションなのだと感じます。

どんなに言葉が少なくなっても、どんなに動ける範囲が小さくなっても、
手を通じて“今ここにいる”という想いは、確かに伝わるのだと思います。

これからも、“ふれる”ことの力を信じて、ひとつひとつの手に心を重ねていきたいです。