環境が変わって身構えている身体へ

4月からの環境の変化とともに、身体が慣れようとするなか、「原因がはっきりしない不調」を感じる方が増える時期です。
先日いらしたリピーターのクライアントさまも、そのお一人でした。
お話を伺うと、これまで体をよく使うお仕事から、デスクワーク中心の働き方へ変わったとのこと。
表面的には「運動量が減ったこと」が理由に見えますが、お身体を拝見すると、もう少し深い変化が起きていました。
確かに下半身の筋力はやや低下していました。
しかしそれ以上に印象的だったのが、呼吸の浅さと腹部の緊張です。
お腹に触れると、わき腹(季肋部)が引きつり、上腹部は張りつめた状態。
思わず「これはしんどかったでしょう」とお声かけすると、「そうですか?」とご本人にはあまり自覚がないご様子でした。
この状態は、例えるなら「殴られそうになった時に、とっさに身を守るために息を止めて体を固める」あの感覚に近いものです。本来は一瞬で終わる反応が、無意識のうちに続いている。呼吸は浅くなり、お腹は動かず、内側の巡りも滞っていきます。
やさしく腹部に手をあて、ツボにアプローチすると、キュルキュル…と胃から腹部にかけて動きが戻る音がしました。体が「もう緩んでいい」と思い出した瞬間です。その後、クライアントさまはふっと力が抜けたように、静かに眠りに入られました。
施術後に改めてお話を伺うと、4月の人事異動で、生理的に合わない方とペアになったとのこと。その一言で、身体の状態とぴたりと結びつきました。精神的にずっと身構えている状態だったのです。

人はストレスを感じると、筋肉だけでなく呼吸から変わります。
そしてそれは、自覚がないまま続いてしまうことも少なくありません。
なんとなくお腹が張る、呼吸が浅い気がする、理由ははっきりしないけれど疲れが抜けない。
そうした感覚は、決して気のせいではなく、体からのサインです。また、そのサインに気づきにくいこともあります。
施術後は表情もやわらぎ、自然な笑顔が戻られていました。
「またしんどくなったらお願いします」と言って帰られるその姿に、体が本来の状態を取り戻したことを感じました。
環境が変わるとき、体はとても正直に反応します。
もし今、「なんとなく不調」「うまく力が抜けない」と感じているなら、それは整えるタイミングかもしれません。
ご自身では気づきにくい無意識の緊張まで、丁寧に拝見させていただきます。どうぞ安心してご相談ください。

