総合医療科と東洋医学

最近、ドラマ「19番目のカルテ」を拝見しました。
このドラマは、どこの診療科に行っても原因がわからない症状を抱える患者さんが、総合診療科でようやく診断にたどり着く、というストーリーです。

「どこが悪いのかわからない」「何科を受診したらよいかわからない」ーーそんなとき、総合診療科の医師が患者さんの全体像を丁寧に診て、心身の背景にある原因を見つけ出していく様子が描かれていました。

ドラマの中では、総合診療科の先生が「いろんな科を巻き込む」「人件費がかさむ」などと揶揄される場面もありましたが、それでも諦めずに病名を突き止め、患者さんが回復していく姿に、思わず「よかったぁ!」と感情移入してしまいました。

総合診療科では、生活環境や精神状態など患者の背景を深く読み取り、そこから導かれる治療を行います。「これは東洋医学の視点とよく似ている」と感じました。
東洋医学もまた、生まれ持った体質や生活習慣を含めた全体像を、陰陽五行や気血水のバランスといった独特の枠組みで捉え、その人に合ったアプローチを行います。

総合診療科と東洋医学(鍼灸・漢方・あん摩指圧マッサージ)は、いずれも多角的・包括的な視点を持ち、原因不明の症状や慢性的な不調、病気とまではいかない「未病」の状態に対して、患者さん一人ひとりに向き合いながら対応していきます。

ドラマでは、病名がわかるまでを描いていましたが、私たち鍼灸師は、ひとりひとりの体質やそのときの状態を丁寧に感じ取り、経絡やツボを使って自然治癒力を高めていきます。

おこがましいようですが、西洋医学と東洋医学の重なる部分が総合医療科ではないかと感じました。
病名を突き止めて命を救う西洋医学。体質やエネルギーの流れを読み取り、未病を整える東洋医学。
それぞれの強みを尊重し、手を取り合うことで、もっと多くの人の健康と安心に貢献できるのではないでしょうか。

あなたの身体は、あなた以上に、あなたの声を待っているかもしれません。
どこに行けばいいかわからないとき、病名がつかないけど、つらいとき・・・
そんなときは、東洋医学である鍼灸施術やあん摩・マッサージ・指圧施術も視野にいれてみてください。

心と体をつなぐ新たな出会いが、そこにあるかもしれません。